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芸能論

(芸能史)―川添裕:皇學館大学 平成21年度(2009)

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 「芸能」とは何だろうか。テレビにでてくる芸能人も芸能だし、能、歌舞伎、落語といった古典芸能も芸能である。お神楽もあれば、雅楽もあるし、民俗芸能と総称される芸能もある。

 「芸能論(芸能史)」の授業では、大きな視点から日本の芸能を概観し、知識を広げるとともに、芸能がもついくつかの本質にせまってみたい。そこにはしばしば日本文化に通底する興味深い特徴があり、思わぬところで、それが現代に脈々と息づく場合が多い。また、東アジアの芸能との共通性も意外とたくさん存在するのである。

 なぜ、社会のなかに芸能がうまれ、ひとびとの活力となってきたのか。人間の真摯な願いと遊び本位の気軽さの両様を的確に視野にいれながら、芸能とは何かを考えてみよう。

 それぞれへの時間配分は等分ではないが、およそ以下のテーマで「芸能論(芸能史)」の授業をおこなう。どんな芸能なのかイメージしてもらうため、映像資料を頻繁に用いる一方で、いくつかのテキスト資料の読解もおこなう。(講義内容は若干、変更になる場合がある)。

 到達目標は、芸能というものの本性理解(春学期)と、それを基盤にした日本の芸能の歴史的把握(秋学期)である。


このページは皇學館大学でのシラバスに、参考文献ほかの付加情報を加えて公開しているものです。皇學館大学のシラバスそのものはこちらから検索できます。

 

1 進め方について

2 「芸能」とは何だろうか

3 大道芸と見世物を観る

4 芸能の場としての寺社境内

5 遊びと宗教性、遊びと信仰

6 『江戸の見世物』講読1

7 『江戸の見世物』講読2

8 ケレン歌舞伎を観る

9 スペクタクル性と物語性

10 『江戸の見世物』講読3

11 『江戸の見世物』講読4

12 爆笑落語を観る

13 古典落語を観る

14 お笑いの遠近法

15 《授業内レポート》

16 女方の踊りを観る

17 歌舞伎成立とその背景

18 遊女歌舞伎、若衆歌舞伎、野郎歌舞伎

19 白浪五人男を観る

20 『江戸の見世物』講読5

21 勧進帳を観る

22 能楽の成立

23 狂言を観る

24 能を観る

25 世阿弥の視点

26 お神楽の世界――神にささげる芸能

27 東アジアの中の日本

28 予備(または復習)

29 《授業内レポート》

30 まとめ

 

教科書:川添裕『江戸の見世物』(岩波新書、2000。2008年の重版を使用のこと)  ※また、随時プリントを配布する。

特記事項:「芸能論(芸能史)」とかかわる身体とメディアの問題に関しては、「メディア論 I、II 」で幅広い視点からとりあげる。

参考事項:調べもの全般に便利なネット資源を、こちらの Editor's レファレンスへ川添なりにまとめてあります。

 


おすすめの主要参考文献12点 (プラス川添の関連書。書籍はなるべく新しい版で記す)

 

1 服部幸雄ほか編『芸能史』(山川出版、1998)

2 折口信夫『日本芸能史六講』(講談社学術文庫、1991)

3 網野善彦ほか編『日本歴史と芸能』全14巻(平凡社・日本ビクター、1990-92)

4 小沢昭一『ものがたり芸能と社会』(白水社、1998)

5 『戸井田道三の本』全4冊(今福龍太編、筑摩書房、1993)

6 松岡心平『宴の身体――バサラから世阿弥へ』(岩波現代文庫、2004)

7 橋本裕之『演技の精神史――中世芸能の言説と身体』(岩波書店、2003)

8 『郡司正勝刪定集』全6冊(白水社、1990-92)

9 服部幸雄『大いなる小屋――江戸歌舞伎の祝祭空間』(平凡社ライブラリー、1994)

10 延広真治『落語はいかにして形成されたか』(平凡社、1986)

11 山口昌男『道化の民俗学』(ちくま学芸文庫、1993)

12 ジェーン・エレン・ハリソン『古代の芸術と祭祀』(法政大学出版局、1974)

 

川添裕『江戸の見世物』(岩波新書、2000。教科書は2008年重版のものを使ってください)

川添裕『江戸の大衆芸能―歌舞伎・見世物・落語』(青幻舎、2008)

延広真治、山本進、川添裕編『落語の世界』全3冊(岩波書店、2003)

川添裕、木下直之、橋爪紳也編『見世物はおもしろい』(平凡社、2003)

 


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